「魔術はささやく」 宮部みゆき
2008.03.25



































ベニチア
サンマルコ教会です。
ずっと前の作品、「魔術はささやく」を文庫で読む。
ヒャー、
なんて凄い小説。

詐欺やらテイストやらが、
つい読んだばかりの流星の絆になにげに似てたけど、


ま、
そんなことはどーでもいいわね、
"小説を読むことの至福とはこういう作品を読むことをいうのである"
と解説の締めくくりに書いてあったが、まさに同感。
主人公の少年が、
不運な人生を歩いているにも関わらず、なんとも折り目正しく、健やかに生きていることか。
意外性があり、
なんとも、面白い。
自分がこの少年の母親になったかのごとく思えるから、
たまらなく、いい。


フランクフルトからベネチア行きの飛行機の中で読んだ。
久々のベネチアへの熱い旅情も一瞬忘れるほど、読書に熱中してしまった。
本から目を離し、
窓の外を見ると、

アルプスが真っ白で、
気持ちが洗われるようだった。

気持ちも真っ白になれる絶品。


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